
趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。
幼いころから車椅子の彼女は、ある日、
危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、
大学生の恒夫に助けられる。
海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか
生息しない幻の魚の群れをいつかその目で見るという
夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。
そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅは、
あるバイトを持ち掛ける。
それはジョゼの注文を聞いて、彼女の相手をすること。

しかしひねくれていて口が悪いジョゼは
恒夫に辛辣に当たり、恒夫もジョゼに我慢することなく
真っすぐにぶつかっていく。
そんな中で見え隠れするそれぞれの心の内と、
縮まっていくふたりの心の距離。
その触れ合いの中で、ジョゼは意を決して夢見ていた
外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが……。
